口臭の原因のNo1は歯槽膿漏、歯周病
最近口臭が気になって、歯科医院を来院する方が増えています。
自分では臭くないと思っていても、家族や友人から指摘されて来院する方もいらっしゃいます。
誰もが嫌な口臭ですが、実は口臭の一番の原因は歯槽膿漏、歯周病であることが多いのです。
息とともに口腔より発生する悪臭を口臭といいます。
自分の口臭は気づかないことも多いですが、逆に口臭がないのにあると思いこんで悩む方もいらっしゃいます。最近の研究では口臭の約8割がお口の中に原因があることがわかっています。
口の中の細菌が食べかすなどを分解するときに口臭のもとになる臭気成分を作り出します。
「メチルカプタン」「硫化水素」「ジメチルサルファイド」という3つの揮発性硫化物が主な臭気成分です。
口臭の種類と対策法
●生理的口臭
朝起きた時や疲れた時、また緊張した時に感じる口臭を生理的口臭といいます。特に朝起きた時は誰でも口臭を感じやすいものです。これは寝ている間、唾液の分泌が少なくなるため細菌が増えることによって口臭が発生しやすくなるためです。
この生理的口臭は健康な人でも誰でも起こることがありますから気にすることはありませんが、お茶を飲んだりうがいをしたり、お口の中の唾液を出すことによって解消されます。
●病的口臭
舌苔、歯周病、むし歯、唾液の減少などによって起こる口臭が病的口臭です。
病的口臭には治療が必要です。
・歯槽膿漏、歯周病・虫歯
歯槽膿漏、歯周病が口臭の大きな原因の一つです。
特に歯周病が進行して、歯肉から出血や排膿が認められるようになると強い口臭を感じる
ようになります。
また、虫歯も大きい虫歯を放置していたり、気づかなくてもかぶせの中で虫歯が進行して
いると口臭の原因になります。
歯科医院で歯周病の治療、むし歯の治療を完全に受け、また、家庭でのケアも行うことが
大切です。
・舌苔(ぜったい)
口臭の大きな原因の一つがこの舌苔です。
舌苔とは古くなった細胞などが舌についたもので、細菌によって分解されると悪臭を
発します。
舌苔がつきやすいのは舌の奥の部分です。
この部分を歯ブラシでそっとみがいてみてください。力を入れすぎると舌の表面を傷つけて
しまうことがあります。
・唾液の減少
唾液には口の中を消毒殺菌する役目があります。
この唾液が減少すると細菌が増えて口臭が強くなります。要介護高齢者の方の口臭はこの
唾液減少が原因のことが多いです。また、薬の副作用で唾液の減少が起こる方も多いです。
口が渇いていて口臭を感じる時は、うがいをしたりお茶を飲んだり、また舌や口を意識的に
動かして唾液の分泌を促してみてください。
要介護高齢者の方には口腔内の保湿剤であるヒアルロン酸ナトリウム(商品名絹水)を利用
すると効果的なこともあります。
・心因性口臭(自臭症)
生理的な口臭以外は認められないのに、自分に口臭があると悩んでいる方がいらっしゃい
ます。
これを心因性口臭とか自臭症と呼びます。
解消法はまず気にしないことですが、心配な方は歯科医院で口臭の検査をしてもらいましょ
う。
最近では口臭の原因の臭気成分を客観的に計測できる機械がありますので、相談してみて
ください。